ICYMI – ハザードのビジュアル、バックストーリー、ゲームプレイをご紹介
オーバーウォッチ チャンピオンズ・シリーズ(OWCS)の年間王者を決める戦い「World Finals」にて、その詳細が発表された新ヒーロー「ハザード」。「オーバーウォッチ 2」では、シーズン14で正式デビューするこの新ヒーローの先行体験を、今週末限定で実施しています。ハザードは、パンク・ロックな外見どおりの荒々しさと、弱者のために立ち上がる義侠心を併せ持った、カリスマ性にあふれるアナーキストです。この記事では、World Finalsでの発表を見逃した方のために、ハザードのアビリティ、コンセプト、バックストーリーをまとめてお届けします。
「雨、降らしたる!」
ハザードは、敵陣にダイブして強襲を仕掛け、相手の陣形を崩すプレイスタイルが特徴的なヒーローです。「ジャギー・ウォール」や「バイオレント・リープ」などの機動性に富んだアビリティで敵陣の背後に回り込み、低ライフの敵をキル。その後、前線に戻って敵のタンクをけん制する…といった戦略を展開できます。
まずご紹介するアビリティが「ジャギー・ウォール」。「ジャギー・ウォール」は、バナジウムを射出して、着弾先に棘のついた壁を形成できるアビリティです。棘の壁は、床、天井、壁などのあらゆる表面に射出でき、触れた敵にダメージを与えノックバックさせることができます。この棘の壁をよじ登れるパッシブ「クライミング」もハザードの特徴。背の低い遮蔽物や壁面も登れるので、このパッシブを駆使すれば、他のタンクには見られない高い移動能力を発揮できます。
「ジャギー・ウォール」、「クライミング」とあわせて、敵陣へと飛び込む際に役立つのが「バイオレント・リープ」です。このアビリティは、1回キー/ボタンを押すことで前方への大ジャンプを、その後Shiftキーか近接攻撃のキーを押すことで強力な切り裂き攻撃を正面に繰り出せる、2段階構成のアビリティです。「バイオレント・リープ」を駆使したコンボ技や移動は奥深く、場面によっては戦闘を有利に進めるうえで非常に効果的なので、このアビリティの活用術をマップごとに研究・開拓するのも面白いでしょう。
ハザードの要となるアビリティが、メイン攻撃とサブ攻撃です。メイン攻撃の「ボーン・スティング」は、近~中距離で特に威力を発揮するショットガン・タイプの武器で、複数の棘を同時に射出します。他のタンクと比べてもポーク性能に秀でた武器といえるでしょう。
サブ攻撃の「スパイク・ガード」は、正面からの攻撃をブロックしつつ、付近の敵にバナジウムの棘を連射できる、防御・カウンター用のアビリティです。発動している間は弾薬を回復できるので、「ボーン・スティング」と「スパイク・ガード」を交互に使い、その使用タイミングも見極められれば、チーム戦において敵にとっての脅威となるでしょう。
アルティメットの「ヘヴィ・レイン」はその名とおり、無数の棘を雨のごとく前方に降らせるアビリティです。ダメージを与えられるだけでなく、相手の動きを封じることもできるため、相手の隙を作り出すうえで非常に便利です。「ヘヴィ・レイン」は環境や地形を貫通するため、相手が壁の後ろに隠れたり、高低差の異なる場所に移動したとしても、射程範囲内に入ってさえいれば、相手を攻撃・拘束できます。
ハザードは、「バイオレント・リープ」や「ボーン・スティング」を巧みに組み合わせることでダメージを一気に叩きこめる、コンボ技に特化したタンクヒーローです。機動性が強みなので、相手側のタンクとの交戦時間を抑えて、その分、その他のヒーローをダイブで狙うと、高いパフォーマンスを発揮できます。皆さんがどのようにハザードの特性を強みへと変えていくのか、私たちも見るのが待ちきれません。アビリティをマスターして、相手に恐怖の雨をお見舞いしましょう!
反骨精神の形成、その過程
ハザードのビジュアルとコンセプトは、ゲームプレイとストーリーという2つの要素が相互に折り重なって生まれたものです。新ヒーローの開発においては、複数のプロトタイプを開発することがあり、今回の新ヒーローの開発でも、複数のプロトタイプのブラインド・テストを、開発チームのプレイ・テストに取り入れる形で行いました。このテストで高評価を受けたプロトタイプが、今のハザードの原形です。私たちはこのハザードのひな型が持つ特徴をもとに、「大きな身体、獣のようなフォルム、ゲームプレイに見合った力と存在感を持ったヒーロー」という、ハザード初期のコンセプトを形成していきました。
ハザードのストーリーは苦難と再起がテーマであると同時に、オムニック・クライシス後の「オーバーウォッチ」の世界をさまざまな形で体現しています。幼少期から不幸に見舞われ、自分の身を自分で守り続けたハザードにとって、自分の居場所、自分のあるべき姿を見出せた「フリークス」(ボディ・モッダーの集団)はまさに家族といえる存在。フリークスの面々に見せる愛情と、フリークスの掲げる反体制的思想への強い共感が、ハザードという人物そのものを形成しています。
そんなハザードも最初は、サイバーパンク系ロッカーの見た目を持つ、獰猛なヴィランとして練られていました。ですが時を追うごとに、ハザードのビジュアル、そしてストーリーは徐々に変わっていき、最終的には、威圧感はそのままに反骨精神と親しみやすさもプラスされたキャラクター(言ってみれば、尖った性格と義侠心の融合)へと落ち着きました。
ハザードの性格も、「ジャギー・ウォール」の結晶状の壁に代表されるビジュアルやゲームプレイと連動する形で磨き上げていきました。見るからに刺々しい見た目をしていて、真っ向から立ち向かおうものなら多少の傷を覚悟する必要がある一方で、壁の向こう側にいる身としては、とても頼りになる存在でもあるあの棘の壁は、ハザードのアビリティであると同時に、彼自身でもあるといえます。
ビジュアルの形成はハザードの性格だけでなく、バックストーリーの内容にも影響を与えました。「身体の大きなタンクヒーロー」というシンプルなビジュアル・コンセプトが「反骨精神と親しみにあふれたヒーロー」へと進化すると、ハザードの設定もそれに応じてヴィランからヒーローへと変わり、彼が所属するフリークスも同様に、身体強化を含む身体の自主性を重んじ、オムニックと非常に強いつながりを持つ、独自の勢力へと昇華していきました。
ハザードの開発経緯は、ゲームプレイやストーリーといったさまざまな要素が1つになっていく過程を端的に示したいい例といえるでしょう。異なるチームがさまざまなアイデアを出して練り上げ、他のチームのアイデアと照らし合わせたうえで、また新たなアイデアを試す…ハザードもまた、こうした過程を経て完成したヒーローの1人です。ハザードのゲームプレイとストーリーを皆さんにも楽しんでもらえたら、「オーバーウォッチ」チーム一同とても嬉しいです。