オーバーウォッチ 2

ディレクターの視点:シーズン12で導入されるライバル・プレイのアップデート

ディレクターの視点:シーズン12で導入されるライバル・プレイのアップデート

皆さん、こんにちは。システム・チームのギャビン・ウィンターです。皆さんもすでにお気づきかもしれませんが、僕にはかなり細かいところまで話題を掘り下げていく癖があります。別に聞いてないよ、という所まで話してしまううえに、口調もちょっと丁寧さに欠けますが…どうか見守ってやってください。  

シーズン9で、新生ライバル・プレイを年度問わず「オーバーウォッチ」の一大イベントにしていきたいとお伝えしましたが、その際に、ライバル・プレイ最大のアップデートを中間アップデートとして導入することも予告しました。

ここ数か月、対戦やゲームプレイ、機能、コンテンツを担当するさまざまなチームが、ゲームプレイを根本的に改善するべく、さまざまな新システムの開発に力を注いできました。来たるシーズン12で導入されるこれらの新システムについて、今から僕がご紹介していきます。

チームメイト回避機能のアップデート

まずは、皆さんが期待するであろうストレス軽減機能「このプレイヤーを回避」についてお話ししましょう。

以前の「開発アップデート」でもこの機能の新要素をご紹介しましたが、その後も改良を重ねた結果、回避スロットの合計が15にまで増えることになりました!利用できるスロットの種類は「固定」枠と「最近登録」枠の2つで、「固定」枠は3個用意されています。この枠は従来の回避スロットと異なり固定の期限がないので、登録したプレイヤーを永続的に回避できます。もう一方の「最近登録」枠の数は12個。こちらは従来の回避システムと同様に、7日の有効期限が設定されています。「最近登録」枠には、さまざまな要素を考慮したうえで回避プレイヤーとのマッチングを優先できるシステムも実装されています。      

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システムの内容こそ変わりますが、大半のプレイヤーはこれまでどおり、登録したプレイヤーを確実に回避できます。ただし、ランクがかなり高い場合や、プレイヤー人口の少ない地域でピーク外にプレイした場合は、回避中のプレイヤーと組まない限りマッチが成立しない可能性が生じます。  

このような状況に陥った場合、待機時間が長くなるにつれて、「最近登場」枠の一番下にいるプレイヤー(つまり期限に最も近いプレイヤー)から順に回避が徐々に無視されていきます(回避期限を個別に更新することで、希望する回避プレイヤーをリストの先頭に移し替えることも可能です)。 

新システムでは「最近登場」枠がいっぱいになった状態で新たに回避プレイヤーを登録すると、期限切れに一番近いプレイヤーと入れ替わる形でそのプレイヤーが自動的に登録されます。先に登録したプレイヤーをいちいち削除する手間がないので管理は楽です。

ライバル・プレイに「ドライブ」が登場

新シーズンで新たなイベント「ドライブ」が登場します!ドライブの第1弾はシーズン12閉幕直前の週末に開催する予定です。この新イベントの開催中、ライバル・プレイのロール・キューのプレイを重ねることで、新報酬をゲットできます。   

具体的には、ライバル・プレイ・ロール・キューのマッチに勝利することで獲得できる「ドライブ・ポイント」を貯めていくと、イベントの進行度が上がります。ポイントを貯め続けて各チェックポイントに到達すると、報酬を獲得できる仕組みです。手に入る報酬には大量のライバル・ダストのほか、新要素「シグネチャー」も含まれます。シグネチャーはBattleTagに付けられるフレームです。次のドライブが開催されるまでの間、ドライブで達成した実績を特徴的なビジュアルでアピールできます。以下の画像は、シグネチャーの種類と表示例です。    

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ランクのリセット

シーズン9で実施したランクのソフト・リセットをシーズン12の開幕にあわせてもう一度実施します。これにより、一定のランク帯に定着していた皆さんのランクがふたたび平均値へと戻ります。新ゲーム・モード「クラッシュ」の追加やヒーローのバランス変更といった、一連のブログ記事でも取り上げている新要素の追加や大変更の導入を行うにあたり、ランク認定マッチを開催して皆さん全員に上を目指す機会を再び設けるのは理にかなっていると判断した次第です。また、ランクのリセットはランクの閾値を調整できる唯一の機会でもあります。シーズン9以降のランクの分布にはある程度満足していますが、改善の余地はまだまだ残されていると考えているので、今回のリセットは私たちチームにとっても重要です。   

チームとしては最高ランク帯「チャンピオン」のステータスを可能な限り高くしたいと考えていますが、その一方でチャンピオン1への達成は現状だとほぼ不可能です。チャンピオン、グランドマスター、マスターのプレイヤー数が私たちの想定を下回っていることを鑑みて、今回のソフト・リセットにあわせて高ランク帯の分布モデルを作り直すことにしました。低ランク帯のプレイヤー数が逆に多すぎるので、こちらのモデルにも調整を加える予定です。これまで高ランク帯の近くや低ランク帯で停滞していた人の大半は、さらなる高みを目指しやすくなると予想しています。もちろん、さまざまな調整をこの機会に加えるので、皆さん全員がさらに上のランクへと到達できる機会を得られるはずです。  

ウェーブ・リスポーンの導入

この度、グループ・リスポーンの機能と入れ替える形で、新しいリスポーン形式を導入することにしました。この新形式について説明する前に、背景情報をお教えしましょう。 

シーズン7でお話ししたことを覚えている人がいるかと思いますが、グループ・リスポーンを導入した目的は、一方的なマッチが起こる頻度を減らすことにありました。そして嬉しいことに、このリスポーン形式を導入した後、チーム内のデータ・アナリストの尽力もあって、シーズン7以降におけるこうしたマッチの傾向が以下のように判明しました。 

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以下のグラフは、グループ・リスポーン導入前後における一方的なマッチの発生率をランク帯別に比較したものです。ご覧のとおり、グループ・リスポーンが導入されたことで、一方的なマッチの発生頻度は大きく低下しました。この低下率の高さは、他の施策では見られなかったものです。ちなみに、クイック・プレイではランクが目に見える形で表示されていませんが、現在もMMRに基づいて、同モードにおけるマッチの品質向上に努めています。上のグラフがランク帯別に分かれているのは、グループ・リスポーンの恩恵を特に受けているプレイヤーをスキル別に可視化するためです。グループ・リスポーンの効果はスキル帯を問わず出ましたが、驚いたことに、その効果が特に大きかったのはチャンピオンとグランドマスターで、一番少なかったのはブロンズでした。   

チームメイトとの合流はマッチの一方的な流れを止めるうえで大きな効果を持ちますが、リスポーンの段階でグループを組む重要性がトップスキル帯で特に高かった分、このような結果に繋がったのかもしれません。チームの誰かがやけくそになって単独攻撃を繰り返した結果マッチに負ける、といった流れの減少も、このグループ・リスポーンの導入で見られました。  

しかし、グループ・リスポーンもメリットばかりではありません。一団でリスポーンする関係上、自分が倒された後に味方が連鎖的にキルされると、自分のリスポーンにかかる時間がその相手にあわせて延びるというデメリットもあります。最後にキルされた味方は比較的短い時間でリスポーンできるのに、自分は本来よりも長く待たされるという不条理が生まれるわけです。この問題を解決するべく私たちが考案したのが、チームメイトが先に倒されていればリスポーン時間がデフォルトよりも必ず短くなる、ウェーブ・リスポーンです。  

このリスポーン形式には他のゲームで慣れてるよ、という人もいるかと思いますが、詳細を以下に記載します。ウェーブ・リスポーンはシーズン12のクイック・プレイとライバル・プレイの両方で導入する予定です。

  • デフォルトのリスポーン時間が10秒から12秒に伸びます
  • オーバータイムのリスポーン時間が13秒から14秒に伸びます
    • ウェーブ・リスポーンはオーバータイム中に発動しません
    • フラッシュポイントの場合、リスポーン時間はオーバータイム中に増えません
  • チームメンバーの誰かが倒されると、そのメンバーがウェーブ・リスポーンの起点になります
    • ウェーブが開始してから6秒以内にほかのチームメンバーが倒されると、そのチームメンバーはウェーブ・リスポーンの対象になります
    • ウェーブ・リスポーンの対象となったメンバーは、ウェーブの起点となったメンバーがリスポーンすると同時にリスポーンできます。つまり、1人目に倒されたヒーローと同じタイミングでキルされた場合は、リスポーンに12秒かかり、ウェーブの制限時間(6秒)がすぎる寸前に倒された場合は、6秒でリスポーンできます 
  • ウェーブ発動後6秒間、ウェーブの起点となったメンバー以外の味方がキルされなかった場合、起点となったメンバーのリスポーン時間は2秒縮まり10秒(これまでのリスポーン時間と同等)になります 
  • エスコートとハイブリッドの場合、ペイロードがルートの終盤まで進んだ時点(アンチ・ストールが発動したタイミング)で、ウェーブ・リスポーンは無効になります

デフォルトのリスポーン時間こそ増えますが、単独でリスポーンした場合の所要時間は従来と変わりません。それに加えて、チームメイトとリスポーンして所要時間が10秒以内に縮まるケースが多くなることも予想されるので、リスポーンの平均時間は比較的少なくなるものと考えています。プレイテストを通じてチーム戦の機会を増すことに成功した今、一方的な試合展開がライバル・プレイでも少なくなることを願っています。もちろん、リスポーンの仕組みをさらに改善できるよう、今後も皆さんのフィードバックに耳を傾け、新リスポーン導入後の結果にも注視していきます。  

フラッシュポイントのアップデート

フラッシュポイントといえば長い移動時間が特徴ですが、こうした「ウォーキング・シミュレーション」的要素が不評なのを受けて、各リスポーン地点の出口にスピード・ブーストを設けることにしました。レースゲームによく登場する「踏むとスピードが上がる装置」を想像するといいかもしれません。スピード・ブーストを通過すると、移動速度が短い間上がって目的のポイントへより素早く移動できるようになるので、移動で生じるタイムロスが減り、その分戦闘に時間をもっと費やせます。  

スピード・ブーストが発生している間にダメージを与えたり受けたりすると、移動速度アップの効果は即切れます。なので、リスポーン地点から近い場所で戦闘が発生している場合、スピード・ブーストの恩恵はあまりありません。また、この機能から移動速度のブーストを得ている間は、ブーストの上限が75%に抑えられます。なので移動速度を上げる他のアビリティを使うのであれば、スピード・ブーストの効果が切れてから使うことをおすすめします。 

僕のここまでの乱文に付き合ってくださった皆さん、本当にありがとうございます。これからも「オーバーウォッチ 2」を楽しんでもらえると嬉しいです。それでは…ともに素晴らしいゲームを作っていきましょう! 

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