オーバーウォッチ2

ディレクターの視点:ミッドシーズンで増すタンクの重要性

Aaron Keller, Blizzard Entertainment

皆さん、こんにちは!シーズン10は、おかげさまで好評を博しています。私も皆さんに新ヒーローのベンチャーとミラーウォッチのイベント(アーケードで遊べます)を楽しんでもらえて何よりです。ですが、今回の「ディレクターの視点」の話題はその点についてではありません。本日はミッドシーズンのアップデートと、それに伴うタンクヒーロー全体への調整についていくつかお話ししていきたいと思います。

「オーバーウォッチ 2」において、タンクは特に際立ったロールといえます。敵の猛攻を一手に引き受け、チームメイトがキルを取れるチャンスを作るのがタンクの役割です。相手チームにとって大きな的となるタンクですが、タンクのライフを一気に削れるかに重点を置いているチーム編成が多いことからも、タンクの影響度の高さがわかるでしょう。タンクが弱すぎると、排除系のアビリティを突破できなくなってしまい、こうしたアビリティの回避を余儀なくされます。そんなタンクについて、皆さんからはこれまでに「すぐにやられる」、逆に「固すぎて倒せない」というフィードバックが寄せられています。   

こうした意見を受けて、シーズン10中盤のアップデートでは、ある程度ヒットに耐えて戦闘で適度に生き残れるよう、タンクのバランスを調整します。まず、タンクのパッシブ「ヘッドショットのダメージ低減」を25%に引き上げて、一気にダメージが発生する機会を減らします。タンクのノックバック低減率も30%から50%に増やす予定です。これにより、前線を維持できる機会がもっと増えて、排除系のアビリティに悩まされる心配がなくなると考えています。 

また、タンクヒーローを対象とした、ゲームプレイ全体の調整を加えます。その1つが、アーマーのダメージ低減の差し戻しです。投射物1発あたりのダメージ減少量が5(最大50%)に戻るので、今後はリーパーやトレーサーのようなヒーローがラインハルトのようなヒーローを倒そうとすると、以前よりも手数が多くなります。投射物1発あたりのバースト・ダメージが高いヒーローは、この変更後もタンクに対して効果を発揮しますが、こうしたダメージヒーローに対するカウンタープレイの手段はタンクに残されているので、大きな問題にならないでしょう。 

フットワークの軽いタンクがより素早く前線に戻れるよう、ライフ回復のパッシブにも調整を加えます。以前はヒーローを問わず、戦闘を離脱すると1秒ごとにライフが20回復していく仕様でしたが、今後のライフ回復量は、ベースの回復量(10)にヒーローの最大ライフの5%を上乗せした数値になります。つまり、ロール・キューのマッチでラインハルトを使った場合、これからは1秒ごとに45回復していきます。

以上の変更点を組み合わせることで、タンクのプレイヤーが直面している問題点に対処しつつ、ゲーム全体のバランスを整えていきたいと思います。このミッドシーズンのパッチが導入された後は、メタの大変動も見られることでしょう。

ヒーロー別の変更点も一部ご紹介します。まずは、ジャンカー・クイーンの「コマンディング・シャウト」。今後は「カーネイジ」や「ランペイジ」などのアビリティに切り替えても発動するようになり、クールダウンも12秒に減少します。この調整が適用されることで、激戦においても素早く突撃できるようになるので、以前よりも積極的に戦闘で立ち回れるはずです。

レッキング・ボールにもさらなる変更を加えます。シーズン10での変更後、「グラップリング・クロー」を巧みに使ったゲームプレイを見かけますが、戦闘の観点から見ると、例の変更の恩恵を増やす余地はまだ少しあるように感じられます。なので、「グラップリング・クロー」を使ってフルチャージでスイング攻撃を繰り出した際の直撃ダメージを50から60に変更し、「パイルドライバー」に当たった敵の移動制限の時間を0.5秒から0.75秒に増やします。これらとは別に「マインフィールド」も上方修正します。爆発ダメージを130から165に、そしてノックバックを5メートルから10メートルに増やす予定です。

ミッドシーズンではほかにも、ジャンクラット、エコー、ハンゾーなどの軽い強化を計画しています。詳しい内容は、パッチが適用される5月15日にお伝えする予定です。どうぞミッドシーズンの「テストドライブ」を楽しみに待っていてください。今回の「ディレクターの視点」は以上です。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。ともに素晴らしいゲームを作っていきましょう!