オーバーウォッチ 2

ディレクターの視点:フィードバックを反映したゲーム作り

ディレクターの視点:フィードバックを反映したゲーム作り

まず、ご存知の方も多いかと思いますが、2週間前、「オーバーウォッチ」開発チームをはじめとするBlizzard社内のチームに大きな変化がありました。こうした出来事の渦中で、ブログを投稿するのは難しいものです。今はただ、このゲームの開発に携わってくれた才能あふれる元スタッフに感謝するばかりです。皆さんには引き続き情報を発信していきたいと考えていますし、チームも楽しみにしてきたシーズン9の内容について、今すぐにでも伝えたい気持ちでいっぱいですが…正直、さまざまな側面でバランスを取るのに難儀しています。しかしながら、チームとコミュニティの間でオープンなコミュニケーションを取り続けてきたことは、私たちの誇りです。これからも、この姿勢を崩さずに交流し続けられたらと考えています。

この姿勢に基づいて昨日、シーズン9でライバル・プレイに適用される大規模な変更点についてお伝えしました。今回は、これらの変更の必要性について、もう少し詳しく説明していきたいと思います。前回の「ディレクターの視点」では、「オーバーウォッチ」の中核でもあるPvPの改善についてお話しました。ゲームプレイを改善する方法は数多くありますが、その中でも特に欠かせない手法のひとつが、皆さんのフィードバックに耳を傾けることです。

開幕まで残り1週間を切ったシーズン9では、「オーバーウォッチ」をさらに楽しくする2つの大規模な変更を予定しています。その大半は、皆さんからのフィードバックと「より楽しく、誰もがやりがいを感じられる『オーバーウォッチ』を」というチームのビジョンから生まれたものです。

まずは変更点の1つ目、ライバル・プレイシステムのリワークについて。ランク変動に関する透明性の向上、新スキル・ティアと新報酬の導入など、多くの改善策が導入されます。去年の9月に私たちは、従来のシステムが抱えているさまざまな問題をまとめたとある動画について公に見解を述べました。その際に取り上げた、ライバル・プレイの主な問題点は以下のとおりです。
 

  • プレイヤーのランク変動の更新頻度が低すぎる。
  • ランク変動の要因と、変動の幅がわかりづらい。
  • GM1などの一部のディビジョンでは、プレイヤーのスキルの幅が広すぎる。
  • ゴールデン武器に魅力を感じない。

今回のリワークを導入するにあたり真っ先に掲げた目標は「ライバル・プレイの仕組みをわかりやすくする」でした。これまでのライバル・プレイでは、プレイヤーに伝える情報量も、その頻度もごくわずかでした。今後は、マッチが終わるたびにレーティングが更新され、レーティングが変動した要因なども補正で確認できるようになります。マッチに関する情報量を増やす目的で、対戦画面に各プレイヤーのディビジョンも掲載する予定です。

ライバル・プレイの仕組みがわかりやすくなれば、ランクを上げる意欲にもつながりますし、チームとしても、皆さんがライバル・プレイのやりがいをさらに見出せるよう、新報酬を得られるチャンスを増やしていければと考えています。これを実現するための試みとして、ライバル・ダストの獲得方法を、シーズン終了時に大量に獲得できるこれまでのものから、シーズン中も常に獲得できる新しいものに置き換え、新報酬「ジェイド武器」と、グランドマスターを超える特別な新ランク「チャンピオン」を導入する予定です。

皆さんからは早くもこのシステムに関するフィードバックをいただいています。チームも現在、「マッチでプレイヤーのスキルに関する情報をさらに表示する」、「異なるディビジョンのプレイヤー同士がもっと手軽に対戦できる環境を整える」、「トップ500プレイヤーのプレイ環境を改善する」といったプランを練っているところです。これらの改善案は、シーズン9の中盤から徐々に実装できるかと考えています。

続いては、大変更の2つ目についてです。シーズン9では、単なるヒーローのバランス調整に留まらない、「オーバーウォッチ」の基本要素にも及ぶ大きな変更が予定されています。

この変更を計画するにあたっては、以下のようなご意見を参考にしています。

  • 射撃のフィーリングと安定性を改善してほしい。
  • 爆発ダメージと戦闘中の回復効果を下げてほしい。
  • ダメージヒーローがもっとキルを取れるようにしてほしい。

シーズン9で加えられるゲームプレイ関連の変更には、これらのフィードバックが反映されています。まず、爆発ダメージに加えて、ワンショットでキルできるヒーローの数を減らすために、ゲーム内の全ヒーローのライフを底上げしました。これにあわせて、ゲーム中の投射物を少し大きくすることで、ショットの命中率も改善しています。「オーバーウォッチ」はスピード感あふれるゲームゆえ、ヒーローが俊敏すぎて、命中したと思っても命中していないケースも多々あります。投射物のサイズアップには、ライフ値の増加がもたらす悪影響を抑える目的もありますが、それと同時に、ダメージの範囲を広げて射撃時の安定性を改善する狙いもあります。

ダメージヒーローには、ダメージを与えたプレイヤーの回復効果を抑える新たなパッシブを追加しました。この変更は、キルの取りやすさを改善するだけでなく、相手側のサポートヒーローのライフ維持能力を相対的に低くすることを目的としたものです。このパッシブが適用されることで、ダメージヒーローはサポートヒーローと対峙する際、より有利に立てることでしょう。

今回の大変更で、今までのメタも大きく変わり、ゲームプレイがさらに面白くなると思います。もちろん、シーズン9が開幕した後も、注意深くモニタリングしていく予定です。そして、チーム側で確認した情報と皆さんからいただいたフィードバックに基づいて、迅速にアップデートしていきたいと考えています。

フィードバックといえば…「クイック・プレイ: HACKED」イベント、バトルパスやゲーム内の販売など、皆さんの間で最近話題になったことについても、今後の「ディレクターの視点」と今シーズンのブログ投稿でお伝えしていく予定です。こちらに関する詳細をお伝えできる日を楽しみにしています。

「オーバーウォッチ」の開発チームでは、チームの各メンバーが「オーバーウォッチ」を改善する力を持っていることを再認識できるよう、毎週のミーティングを「ともに素晴らしいゲームを作っていきましょう」という言葉で締めくくっています。これまで、皆さんのフィードバックをゲーム開発に取り入れられるよう努めてきました。今回加えた変更点のすべてが皆さんから聞いた各フィードバックの影響を受けていることを鑑みれば、プレイヤーの皆さんも「オーバーウォッチ」チームの一員であることは間違いありません。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。それでは皆さん、ともに素晴らしいゲームを作っていきましょう!

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