ハースストーン

終盤戦:冷静沈着

終盤戦:冷静沈着

今年初頭には「序盤戦」シリーズと銘打ち、競技的ハースストーンにおける序盤の戦い方について学んできたな。続いて、7月には「中盤戦」を公開した。今週は年末をお祝いして、「終盤戦」を公開しているぞ。今日は、大会を勝ち上がるごとに蓄積される精神的・肉体的疲労との付き合い方についてだ。

プロの「ハースストーン」で競技するのは、やり甲斐に満ちてるが、精神的に骨が折れる活動だ。勝つためには、選手は頭脳の力を大いに必要とするが、身体的に健全であることも同じくらい重要なんだ。頭脳をフル回転させるためには、自己管理が必要だぞ!

それを実行している競技者の一人が、David "Justsaiyan" Shan選手だ。彼は、まだ世界にたった2人しかいない3スターマスターの1人であり、またHCT秋季大会で4位に入賞して、今春のHCT世界選手権への出場権を獲得しているぞ。当然、彼には世界選手権でも冷静沈着さを保つための習慣や儀式があり、太っ腹にもそれを解説してくれたんだ。以下を読み進めてくれ。

リセットスイッチ

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ティルトとは何か?

「ティルト」は元々はポーカー用語で、理想的ではない(そして不愉快な)精神および感情の状態を指し、それが原因で判断を誤ったり、悪手を打ってしまうものなんだ。わかったかな?

競技レベルでゲームをプレイしたことがあるなら、「ティルト」と呼ばれる悪い精神状態のことを知ってるだろう。それは不愉快なだけでなく、次の試合の勝率に悪影響を与えるものだ。

そして何を隠そう、これは最高のプレイヤーにも起こることなんだ。「ランダム要素で悪い結果が出た後、ティルトに陥らないことはかなり困難です」そうJustsaiyan選手は言う。「私が思うに、気持ちをリセットするには物理的な何かが必要です。例えば自分のスマートフォンで新しいアルバムを再生したり、問題集のページをめくったり、あるいは単に友達に愚痴るとか。次の試合に移行するためのお決まりの『儀式』を持っておくことは、気持ちをまっさらにリセットするのに役立ちます。ティルトを抱えたままでは、その日の試合にずっと悪影響を及ぼすでしょう」

隣の芝生は青い

もう一つ、悪影響を及ぼすのが、自分の成果(あるいは成果に欠けること)を他人の成果と比べること。一つの大会でも、シーズン全体でも同じことだ。「全般的なアドバイスとしては、自分と過去の自分を比べるにとどめることで、またあまり結果主義になり過ぎないことです」そうJustsaiyan選手は言う。「ヨーロッパでは今年、(もう1人の3スターマスターである)Hunterrace選手が非常に華々しいスタートを切りました。あまりに突出したため、多くのヨーロッパのプレイヤー達が、彼らだって十分な実力者なのですが、ポイントシステムにおいて自分とHunterrace選手を比較しました。私は彼らの成長を見ていますし、ポテンシャルも感じます。別の誰かを基準に自分の成果を計ってしまうと、自分の成長を簡単に見失ってしまうのです」

適切なセルフケアと食事

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精神状態をポジティブに保つこと以外にも、あんたのパフォーマンスを最大化するための、より明白な(かつ、同等に重要な)事柄がある。ちゃんと食事をすること、そしてしっかり睡眠をとることだ。

「昼ご飯の時間にタイマーをセットしましょう」と、Justsaiyan選手は言う。「時間が経つのはあっという間です。スイスドローの3~4ラウンド目に、気づいたらもう午後4時で、お昼を食べ損ねていたってこともあると思います。もう遅いので、最後のラウンドは残された燃料でプレイしなければなりません」

大会初日を勝ち残ったとしても、油断は禁物だ。「負けた憂さ晴らしに繰り出してパーッとやろうというプレイヤー達がいたら、まだ勝ち残っている友達を探しましょう」そうJustsaiyan選手は言う。「大会2日目に備えている人々と一緒に行動しましょう。といのも同じ精神状態を保つべきだからです」

もし初日を勝ち抜けられなかったら?あまりくよくよしないことだ。「大会が終わるまで、結果について心を痛めないようにしましょう」そうJustsaiyan選手は言う。「その日一日を、試合ごとに切り分けて考えましょう。大会から脱落したのなら、パーッと憂さ晴らしをして、負けの重みを投げ捨てるのもいいものです」

ありがとう、Justsaiyan選手!この春のHCT世界選手権で彼がこれらのテクを駆使し、好成績を残すことを願おう。そして、来年のハースストーン eスポーツ予選大会であんたもこれらのテクを役立てられるよう祈ってるぞ!それはそれとして、明日も引き続き「終盤戦」シリーズを公開するので、楽しみにしててくれ。

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