Diablo II: Resurrected

オリジナルの「Diablo II」の体験を家庭用ゲーム機で

オリジナルの「Diablo II」の体験を家庭用ゲーム機で

リリースまであと少しです。まもなく勇者たちがサンクチュアリに戻り、黒衣の放浪者を追って、地獄の軍勢の討伐に旅立ちます。名作ARPG、「Diablo® II」の復活の時です。リマスターされた「ディアブロ II リザレクテッド」は、2021年9月24日(日本時間)に発売されます。オリジナル版では無理でしたが、今回はXbox、PlayStation®、Nintendo Switch™のプレイヤーが、かの東方への旅に挑むことができるようになります。

デザインディレクターのロバート・ガレラニに、PCの名作を、現代の家庭用ゲーム機に適合させるための開発チームのアプローチと経緯について聞きました。


リマスターとなる本作は原作に対する情熱を胸に、ベテランプレイヤーにはノスタルジアを楽しんでもらい、新たなプレイヤーにサンクチュアリの世界を紹介する、という目的とともに開発されました。開発過程において、私たちは原典の「Diablo II」が実際にどうであったかということよりも、プレイヤーの記憶にある「Diablo II」を作り上げようと意図してきました。たとえば、グラフィックの改善にあたってはオリジナルのゲームを忠実に再現することを念頭に置いており、レガシーモードに切り替えてオリジナルのグラフィックを振り返れば、本作でそれがいかに進化したかを体感することができます。ポーションを飲む際のサウンドやミニマップ上の描画に至るまで、細かい部分にも配慮しており、キャラクターが暗い部屋に入ったときのモンスターの登場方法まで、オリジナルの体験を思い出して懐かしさを感じられるように、細部までこだわって作られています。本作をXbox、PlayStation、Nintendo Switch向けに開発することが決まったとき、ゲームバランスを調整するだけでなく、20年以上前にオリジナルをプレイしたときには気付かなかったような要素も調整する必要がありました。

当時は存在しなかったプラットフォームにゲームを移植すると何が起こるのでしょうか?PCのマウスとキーボード向けに開発されたゲームを家庭用ゲーム機に移植する際には、家庭用ゲーム機のプレイヤーのプレイスタイルを考慮に入れて、様々な問題に対処する必要があります。狙いは原典の体験を忠実に再現することでしたので、私たちが最初に考えたのは「何を変えてはいけないのか?」でした。クロスプログレッションに対応したことで、様々な制約と守るべきガイドラインを抱えることにもなりました。そのため、ゲーム自体には変更は加えらませんので、新たなプラットフォームでコンテンツが体験される方法を変えていくことに的を絞ることになりました。

まず最初の明白な変更点は、家庭用ゲーム機のプレイヤーはコントローラーを使ってプレイすることでした。キーボードとマウスの場合は、プレイヤーは自分のキャラクターを「上空から」見下ろして、クリックすることでアクションや移動したい場所を指示します。モンスターに遠隔攻撃スキルを使用したり、宝箱に触れて開けたり、扉を開いたり…マウスの場合はクリック入力がメインとなり、それによって敵をエイムしたり、特定のスキルやアクションの指示を出します。クリックすると、プレイヤーに代わってゲームの側が、そのアクションを行える位置までキャラクターが移動できるルートを見つけてくれます。しかしコントローラーでは、プレイヤーはもっと直接的に自分自身がキャラクターとなって行動します。これは開発者にとってはゲームデザインを根底から覆すような問題ですが、皆さんにとっては「機能して当たり前」なことでしかありません。

コントローラーによる移動

コントローラーでプレイする場合は、移動はアナログスティックで行います。従って、ゲームではなく、プレイヤーが直接的にキャラクターを移動させることになります。これを機能させるために、家庭用ゲーム機ではパスファインダー機能をオフにしました。それによって、以前はゲームが案内したことがなかった場所にも――つまりマウスクリックでは行けなかった場所にも移動できるようになりました。たとえば、キャラクターを壁に向かって走らせたり、衝突判定があるオブジェクトに向かって移動させることが可能になったのです。この移動の自由が得られたことで、敵の攻撃を避けることが容易になりました。また、どこに行くべきかを判断するだけでなく、どのくらいの速さで行くのかも判断する必要が生まれました。「Diablo II」にはスタミナのフレームワークが存在します。歩きと走りの2種類の移動手段があるのです。そして、スタミナが切れると走ることができなくなります。私たちは、このフレームワークを直感的に機能させたいと考えました。アナログスティックを少しだけ倒すとゆっくり移動し、大きく倒すと最大速度で移動するというものです。ゲーム内では歩いたほうがキャラクターのスタッツが向上するということがあり、どちらを選ぶかを簡単にコントロールできる必要性がありました。そこで私たちはトグル式(切り替え式)を採用しました。これによって歩きたいときには確実に歩くことができます。このことはアイテム収集において不可欠でした。これについては後ほど詳しく説明します。

上の映像では、赤い四角形はマップのコリジョン(衝突判定範囲)を、キャラクターの前方の白い線はコントローラーのアナログスティックの方向軌道を示しています。

コントローラーによる対象指定

マウスを使わないことによるもうひとつの大きな相違点はカーソルが存在しないことです。そのため、何を対象に指定して、何を攻撃するのかをゲームに伝える方法が存在しません。この問題を解決するために、コントローラーのアナログスティックを使用した際には、扇状の大きな範囲内にいる全ユニットを継続的にスキャンし、モンスター、アイテム、操作可能なオブジェクト、他のプレイヤー、死体など、種類に応じて優先順位をつけて対象指定するようにしました。また、この優先順位についてはクラスごとの調整も行っています。その一例はネクロマンサーです。他のクラスと違い、ネクロマンサーは死体の優先順位が高くなっています。対象指定可能な対象の候補をすべて視覚化して表示する手法も試してみましたが、HUDに表示される情報が多くて煩雑になりすぎました。そこで、使用しているクラスにとって重要な標的のみを表示することにしました。死体を強調表示することはしていませんが、プレイヤーが死体を必要とするスキルを使用した場合は、最も近いものが選択されます。

コントローラーによるアイテム集め

倒した敵からアイテムを回収することは、敵を倒すことと同じくらい重要です。キーボードとマウスの場合は、プレイヤーはキーを長押ししてアイテムラベルを表示し、その後、アイテムの名前をクリックします。コントローラーの場合はボタンを長押しするのを好まない人もいるため、アイテムラベルのボタンは長押ししなくてもいいようにしました(オプションでは利用可能です)。コントローラーを使用する際は、時間と距離の2つの要素を考慮して、名前を表示するアイテムを選択しています。プレイヤーから近いアイテムは常に表示されます。さらに、アイテムがドロップした際には、少しの間だけアイテムの名前が画面上に表示されます。次に困難だったのは、アイテムを拾う方法でした。コントローラーを使っている場合は、そこまで移動してアイテムに触れると拾う仕様が自然だと感じられました。しかし、この仕様では、モンスターを倒して大量のアイテムがドロップした際に、その中から1つのアイテムだけを拾うということが困難になります。最終的に、より自然に、能動的な選択が行えるように、落ちている複数のアイテムのなかをゆっくりと歩きながら、ほしいアイテムのところで立ち止まることで必要なものを入手できるようにしました。

コントローラーによるスキルの使用

これに関しては、少なくとも過去に家庭用ゲーム機でリリースされていた「ディアブロ III」の操作方に慣れた人たちの期待を満たす必要がありました。オリジナルの「Diablo II」ではマウスの左クリックと右クリックの2つのボタンが使用できます。複数のスキルにアクセスするために、プレイヤーはホットキーを使ってこれら2つのボタンに割り当てられたスキルを素早く変更していました。コントローラーでは、ボタンを再配置する必要はなく、シンプルに異なるボタンを押すと各スキルが発動するようにしました。ここでは、「ディアブロ III」と同様のやり方で、スキルがHUDの下部にある「トレイ」に表示されています。大量のスキルを使用可能になることを考慮して、左トリガーボタンを長押しすると別の6個のスロットが表示されて、合計で12個のスロットにスキルを割り当てられるようにしました。

コントローラーでのバランス調整

コントローラーで常に問題となるのは、キーボードと比べてボタンの数が圧倒的に少ないことです。そこで、基本となるスキルが使いやすいボタンに配置されるように、長い時間をかけて様々なボタン配置を試行錯誤しました。ベータを実施して以降、プレイヤーの期待に応えられるようなコントローラーのボタン配置を実現できたと感じています。今後も、ごく少数のケースにおける操作方法の問題の調査と改善を続けますが、クラシックな仕様を維持することと、現代的な感覚を実現することの間で、よいバランスが取れていると感じています。

コントローラーに加えて、抜本的な変更となったのは、家庭用ゲーム機のプレイヤーが他のプレイヤーとオンラインでプレイする方法でした。家庭用ゲーム機では、ゲームをプレイする前にパーティを組んでおくのが一般的です。家庭用ゲーム機ではフレンドが何をしているのかが一目瞭然で、そのゲームに直ちに参加したり、ゲーム内からフレンドを招待することができます。一方PCでは、プレイヤーはキーボードを使用できます。オリジナル版では他のプレイヤーと一緒にプレイするためにロビーが使用されていました。しかし、コントローラーでは、全体チャットにあふれるプレイヤーのコメントに返事をするのはほぼ不可能です。そのため、プレイヤーフローにいくつか変更を行うことになりました。

外出先でプレイ

Nintendo Switchの利点のひとつは外でプレイできる点です。Nintendo Switchをドックから外せば、旅先ではもちろん、家の中の別の部屋でプレイすることもできます。オフラインとオンラインが切り替わったときにプレイヤーに違和感を感じさせないように、ポータブルの機能とそのプレイパターンには特別な注意を払う必要がありました。その一環として、ポータブル画面でもゲーム内の文字などを十分に視認可能にして、「ディアブロ II リザレクテッド」を外出先でも違和感なくスムーズにプレイできるようにしました。

Nintendo Switchではオンラインのフレンドとグループを組んで、最大4人で一緒にプレイすることが可能です。特にNintendo Switchを携帯モードでプレイする際には、4人プレイが最適な体験になると考えています。外出先でも、「ディアブロ II リザレクテッド」を楽しんでもらえるよう期待しています。

こちらはNintendo Switch版のネクロマンサーのプレイ映像です。

クロスプログレッション&クロスジェネレーションプレイ

「ディアブロ II リザレクテッド」はクロスプログレッション機能に対応しており、プラットフォーム間で進行状況を共有できます!D2Rを所有している各プラットフォームでBattle.netアカウントと連携するだけで機能を利用できます。これを行えば、キャラクターが集めたアイテムは対応するすべてのプラットフォームで利用可能になり、レベル、クエスト、成長システム、スキル、タレントなども共有されます。

クロスプログレッションに加えて、「ディアブロ II リザレクテッド」はクロスジェネレーションプレイにも対応しています。つまり、自分はXbox Series X|Sでプレイしていて、フレンドはXbox Oneでプレイしている場合でも、サンクチュアリで一緒にパーティを組んで悪魔退治を楽しむことができます。PlayStation®5とPlayStation®4の間でも、両機種のプレイヤーが一緒に東を目指す旅に挑めます。

プレイ・モード

「ディアブロ II リザレクテッド」はオンライン、オフライン、ラダー(ランキング)あり(オフラインキャラクターでは利用不可)、ラダーなし、ハードコア、拡張パックあり、拡張パックなしと、様々な方法で楽しめます。オリジナル版では、これらのモードの名称は新規プレイヤーにとって混乱のもとでした。覚えている人もいるいらっしゃると思いますが、オリジナルのゲームのメインメニューには以下のオプションがありました。

  • Single Player
  • Battle.net
  • Gateway:Battle.net
  • Other multiplayer
Shown above is a comparison of the original Diablo II frontend screen, alongside the Diablo II: Resurrected one outlining the Play Modes.

問題だと思われたのは、多くのプレイヤーがシングルプレイヤーでゲームを開始してから、フレンドと一緒にプレイしようとすることでした。シングルプレイヤーを選択するとその時点でオフラインキャラクターになるため、フレンドとは一緒にプレイできません。私たちはできる限り多くのプレイヤーにフレンドと一緒にプレイしてもらいたかったため、プレイボタンは「オフライン」と「オンライン」の2つだけに絞り込みました。

フレンドの招待

プレイヤーはロビーの情報を交換する必要はなく、ゲームを開始してからフレンドリストを使ってフレンドを招待できるようにしました。今では当たり前だと感じるかもしれませんが、20年前にはこのような機能は存在しませんでした。さらに、「自動パーティ」機能も追加しました。オリジナル版では、プレイヤーがゲームに参加して最初にすることは「PP」(「Party Please」の略)と入力することでした。ほぼすべてのプレイヤーがこの方法でグループを探していましたので、「自動パーティ」機能ではこれが自動的に行われるようにしました。

パーティファインダー

家庭用ゲーム機のプレイヤーがフレンド以外のプレイヤーともスムーズにプレイできるように、パーティファインダー機能(Party-Finder)を追加しました。この機能はクエストやバールへの挑戦などの特定のアクティビティを他のプレイヤーと一緒に行いたいものの、その時間帯にオンラインになっているフレンドがいないようなときのために追加しました。パーティファインダーを使えば、自分と同じアクティビティを選択している、同じようなレベルのプレイヤーとマッチングします。ベータを受けて、家庭用ゲーム機のプレイヤーからは、ロビーの選択肢をもっと増やしてほしいという要望が多く寄せられました。そこで皆さんが自ら選択できるようにパーティファインダーにボスとゾーンのタブを追加しました。さらに、伏魔殿イベント、ウーバーディアブロイベント、PvP/デュエルなどのフィルターも追加して、家庭用ゲーム機のプレイヤーが自分が参加したいマルチプレイヤーのセッションを見つけやすくしました。

全体的にまとめると、今回、PCとは大きく異なる家庭用ゲーム機のプレイヤーを考慮した様々な判断が必要になりました。また、「Diablo II」ではなく「ディアブロ III」を経験している人が多かったことから、「Diablo II」のクラシックな体験は維持しながらも、IIIのプレイヤーがすんなり入り込めるように、「ディアブロ III」の要素をD2Rに取り入れる必要もありました。この時を越えて色褪せない名作を新たな世代のプレイヤーの皆さんに楽しんでもらえるよう願っています。

–デザインディレクター、ロバート・ガレラニ


「ディアブロ」ファンになるなら、今が絶好のチャンスです。本作が初めての人にも、懐かしさを味わいたくて仕方がない長年のファンにも、地獄の門の扉は開かれています。発売時に皆さんが一緒に「ディアブロ II リザレクテッド」を楽しんでくれることを願っています。本作は9月24日(日本時間)にWindows® PCXbox Series X|SXbox OnePlayStation®5PlayStation®4Nintendo Switch™(このプラットフォームでの予約はまもなく開始されます)で発売されます!「ディアブロ II リザレクテッド」の詳細はこちらの公式ウェブサイトをチェックしてください。さらに、日本公式Twitterをフォローしてリアルタイムで最新情報を手に入れましょう。

今後も「ディアブロ」をお楽しみください。

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