オーバーウォッチ2

ディレクターの視点:ミッドシーズンでのメタの変動

Blizzard Entertainment

皆さん、こんにちは。「ディレクターの視点」シーズン9ミッドシーズン編をお届けします。今シーズン、久しぶりに大規模な変更を実施しました。2月にシーズン9がスタートした当初から、皆さんのフィードバックを必ず確認し、必要な対応を取ろうと考えていました。異例のペースですが、すでに配信している2つパッチとは別に、また新たなパッチを来週配信します。なかなか影響度の大きいパッチとなる予定ですので、今回はこちらの内容について説明したいと思います。おっと、忘れるところでした!その前に「オーバーウォッチ 2」の現状についてお話ししましょう。

今シーズンに実施された大規模な変更は「オーバーウォッチ 2」が抱える複数の問題に対処するためのもので、その内容には皆さんからのフィードバックが大いに反映されています。そうした変更の結果には満足していますが、さらに改善したい点も2つ残っています。ダメージのロール・パッシブと、変更後の一部ヒーローの状況についてです。今「オーバーウォッチ 2」が進んでいる方向は正しいと考えていますが、解決すべき問題がまだ残っていることも確かです。

では初めに、ダメージのロール・パッシブから掘り下げていきましょう。この点はゲームのバランスにも大きな影響を与えるもので、ダメージ・ヒーローが前線でもっと戦えるようにすることを意図していました。実際、相手を確実に仕留めるという点で、パッシブの成果は確実に出ています。敵を倒してリスポーンさせることが「オーバーウォッチ」の中核であることを考えると、こうした面においてダメージヒーローの影響力が強くなるのは好ましいと言えます。ですが、今回の変更は少し成果を上げすぎたかもしれません。タンクヒーローですら姿をさらすのが危険だと感じる、回復中にも予想以上にライフが削られてしまう、といった状況が発生してしまっているのが現状です。

最近のライフを増加させる変更の目的のひとつは、ゲーム中の爆発ダメージの影響を緩和することにありました。この点は適切な水準に調整するのが特に難しいもののひとつであり、次のパッチで回復の減少量を20%から15%に引き下げることで変更の影響を減らして再度調整したいと考えています。追加の変更を実施後も、その影響を注視していくつもりです。

次はバランス調整についてです。今回のパッチでは、ヒーローの約半数に調整を加えます。ヒーローのパワーは、今シーズンで大きく変わりました。こうした変化はゲームの活性化につながると考えていますが、私たちとしては、すべてのヒーローにきちんと力を持たせたいとも思っています。数日後にすべての調整内容を記載したパッチノートを公開しますが、その前に少しだけ、今回の主な調整内容についてお話しします。

まずはサポートヒーローの調整内容から。今回、アナのグレネードが大幅に強化される予定です。ダメージと回復両方の量が60から90に増えるので、アナ自身の生存能力が上がります。アナはほかのヒーローと一線を画した存在であると同時に「オーバーウォッチ 2」全体で最もよくプレイされているヒーローの1人です。 チームも今回の調整で、強くなりすぎない程度に彼女の優位性が増すことを期待しています。

ライフウィーバーにも、回復能力を底上げするための調整を加えます。最大回復量を70から80に変更し、最大チャージを1秒から1.15秒に伸ばす予定です。ダメージのロール・パッシブが抑えられる関係で、以前よりもライフウィーバーとマーシーが積極的に前に出られるようになると考えています。

今回強化するタンクヒーローは、ドゥームフィストとマウガの2名です。まずドゥームフィストの「メテオ・ストライク」で与えられる最小ダメージを、15から50に引き上げます。一見すると、大した変更のように見えませんが、このアルティメットのダメージ量は中心点からの距離に応じて変わってくるので、確実に与えられるダメージの量が大きくなることを意味します。最終的には、このアビリティがドゥームフィストやチームメイトに追撃とキルのチャンスをさらに生み出すものとなるようにしたいと考えています。

マウガについては、「カーディアック・オーバードライブ」が変更されます。アビリティの持続時間を5秒から4秒に、クールダウンを12秒から10秒にそれぞれ短縮するほか、パッシブの追加ライフを100までチャージできる効果を導入します。これらの変更は、アビリティの信頼性を高めると同時に、マウガの生存能力を状況を問わずに上げることを目的としています。これとは別に、「オーバーラン」の踏み付け攻撃のダメージを45から60に増やす変更も実施予定です。

タンクヒーローのうち「キュートで凶暴なハムスター」ことレッキング・ボールは今回のパッチで調整されませんが、シーズン10で小規模なリワークを実施します。

以上の内容を含むさまざまな変更が、3月13日のミッドシーズン・アップデートで実装されます。

以前から繰り返しお伝えしていますが、こうした変更を実装した後も、ゲームへの影響や皆さんのフィードバックを注視し、状況に応じて対応していきます。チームではすでに、シーズン10で実装予定の調整について話し合っているところです。

ミッドシーズンのアップデートとは別に、「クイック・プレイ: HACKED」の第2弾を今シーズン中に実施する予定です。今回は、ヒーロー重複の制限がなくなる「ダブル・トラブル」。ロールキューは有効のままですが、プレイヤーは同じダメージヒーローとサポートヒーローを2人まで選べるようになります。ヒーロー制限は「オーバーウォッチ」のリリース直後に導入したもので、当時はロールキューも導入されていなかったので、ウィンストン5名とサポート1名という編成すら可能でした。この戦術は5人(Quintuplet)のウィンストンがいることから「クィンストン」(Quinston)という名で親しまれ、内部で行われたトーナメントで優勝する活躍を見せました。

 ロールキューを導入してから、こうした組み合わせは不可能になりましたが、チーム編成の自由度がさらに高くなり、マッチにおける戦略の幅が広がれば、もっと素晴らしいのでは…と考え、このテストの実施に至りました。テスト期間中、皆さんがどのようなチーム編成のアイデアを生み出してくださるか、私たちも楽しみです!

今回の「ディレクターの視点」は以上です。次週のパッチをどうぞお楽しみに。ともに素晴らしいゲームを作っていきましょう!